日誌
近藤康弘さんのご飯茶碗(小)
ご飯茶碗はだいたい3色展開で作っていらっしゃいますが、今回白。
透明釉と白釉で2色掛けされ、見込みにはほんのりとざらつきがあり温かみある手触りです。
口縁あたりはあまり薄く作らずにほどよい厚みを持たせてあるので、欠けにくい造り。



腰は自然な丸みで手に優しく収まりますし、端反型でもなく平形でもない飾り気のない碗型は温かい雰囲気。
日常雑器で知られる益子焼らしいとも言えるし、近藤さんの朗らかな人柄そのものみたいにも思えます。
うつわの素地は砂気のある益子土。
野趣あふれる力強い個性はないですが、素朴で使いやすいやきものが出来上がるという良さがあります。
古くからの陶工たちのように、近藤さんもまた益子周辺の石や天然灰などを混ぜ幾種類かの釉薬を作っています。
小サイズといっても、だいたいφ115×高さ55mmぐらいの範囲内なので、目立って小さいわけではなく男女問わず使ってもらえる大きさ。
日々のお料理、季節のお料理を、気張らずにその人のペースで楽しく食するのに、なんとなく気に入った器があると嬉しい。
近藤康弘さんのドラ鉢(小)
お客様からのご希望があり、久しぶりに益子の近藤康弘さんにいくつかやきものたち送って頂きました。
その中のひとつ、ドラ鉢の小サイズ。
2012年にはじめて近藤さんと出会い、作品群を目にした時からあったのがこのドラ鉢。
これまでにもう何回、百職に届いたことか。
大中小と三つのサイズがある中で、小サイズはφ90mmと豆皿の部類に入れてもいい、手のひらにも乗ってしまうサイズ感です。
箸休めの小さな副菜用というほかにも、四角く切ったバター、ジャムを入れてパンに添えて出してもいいなと思いました。
おいしいお塩や角砂糖を入れたりしても。
側面下のほうには、トレードマークの飛び鉋(とびかんな又はとびがんな)での模様がいつものように施されています。
大分の小鹿田焼と並んで飛び鉋模様で知られているのが福岡の小石原焼。
この小石原焼で習い覚えた飛び鉋を、益子で取り入れ名手として知られていた榎田窯こそが、実は近藤さんの修業先。
修業時代に幾度も幾度も手掛けた飛び鉋。
こうして今も、作品の一部に施されています。
今までと違うのは、薪窯で焼成されるようになって、窯変(思いがけない釉薬の色や流れや質感の変化)の具合もより大きく豊かになり、ひとつひとつの個体差がもっと生まれるようになりました。
鉄点のにじむような現れ方などは、より柔らかくなり美しいです。
すごく久しぶりに近藤さんの経歴を読んでいたら2009年に独立築窯の文字を見て
「あれ?近藤さんの独立と、百職のオープンは同じ2009年だったんだ」
と、覚えていたつもりがすっかり抜け落ちていたことと、思いがけず同期の桜的だったかと認識し、途端に嬉しくなったのでした。
そもそも近藤さんと私とでは、年齢も一歳しか違わないので、人生の歩みみたいなものも自ずと似通ってくるのでしょう。
近藤さんが榎田さんのところから独立して13年後の昨年2022年。
ずっと念願だった薪窯を、ようやく自分の手で築窯しました。
まだまだじゃじゃ馬だというその薪窯との付き合い方は手探り中。
これからも少しずつ時間を経るごとに、焼きによる表情も変わっていくだろうと思います。
今年8月末に予定している個展が今から待ち遠しいです。
小野陽介さん陶展「Polaris」全日程終了 お礼
今回は男性のお客様や、20代、
3年ぶりの小野さんの展覧会でした。
「変化した部分」に驚いたり、逆に「変わっていない部分」
メインヴィジュアルにさせて頂いた瑠璃釉の5.5寸皿。
とても深い色で黒にも見える色で撮るのが難しそうと敬遠していま
深海のような暗青色に飛び込んでみると、
宮沢賢治が好きな私はすぐに「銀河鉄道の夜」
「『ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、
(ちなみに問いの答えは「星」で、
瑠璃釉という釉薬は、
小野さんが作った瑠璃釉は豊饒な宇宙や海のような色と光を放って
展覧会の在廊日に小野さんに、
「変化がほしくて、下地に家の庭土を塗っているからだと」
もともと変化の大きな釉調を好み、
釉調変化の多様性がもっとも大きいと言われる薪窯から、
どんなに揉まれようとも、揺るがない不変の感性や感覚や意志は、
一方で様々なことを経て成長し、必要性を感じるもの、
不動の北極星を振り返って仰ぎ見ながら、
装花のFlower Worksの本多さんには今回も瑞々しい花たちを空間にしつらえて頂き、
小野陽介さん、奥様のまこさん(そして愛猫のちろぴ一家も!)、
そして店頭と遠方からと、
皆さまのおかげで次の原動力が生まれました。
心よりお礼申し上げますとともに、次回の小野さんの作品群、


2022年の店頭営業終了のお知らせ|年始は1/20から営業予定

ありがとうございます、2022年の店頭営業は12/25で終了いたしました。
通販発送や事務などで12/
年始の店頭営業は今のところ1/20から営業予定ですが、
まずは作品撮影から!
表からは見えてないところではちゃんと仕事始めします◎
年始の営業日も、
小野さんの幅広リムのプレートはケーキにもぴったりです。

【年末年始の営業、web shopの営業など】
・2022年の営業→終了しました
・web shopの年内営業→12/26(月)まで
・各種お問合せのメール返信→12/28(水)まで
※年末年始の休業中にお寄せ頂いた問合せへの返信は1/7(土)
・年始の店頭営業→1/20(金)からの予定
※業務都合によっては変更する可能性ありますのでホームページの「