日誌

2023-02-03 18:56:00

近藤康弘さんの薪窯飯碗(小)

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益子の近藤康弘さんの飛び鉋シリーズが続きます。

ご飯茶碗の小サイズも昔からの定番アイテム。
飛び鉋のリズミカルな加飾が調和しています。 
今回は薪窯焼成のもので、見込みなどにほんのり灰被りの痕跡や、付着した灰が溶けて天然釉になっているような部分もあります。

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ご飯茶碗はだいたい3色展開で作っていらっしゃいますが、今回白。
透明釉と白釉で2色掛けされ、見込みにはほんのりとざらつきがあり温かみある手触りです。
口縁あたりはあまり薄く作らずにほどよい厚みを持たせてあるので、欠けにくい造り。

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腰は自然な丸みで手に優しく収まりますし、端反型でもなく平形でもない飾り気のない碗型は温かい雰囲気。
日常雑器で知られる益子焼らしいとも言えるし、近藤さんの朗らかな人柄そのものみたいにも思えます。

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うつわの素地は砂気のある益子土。

野趣あふれる力強い個性はないですが、素朴で使いやすいやきものが出来上がるという良さがあります。
古くからの陶工たちのように、近藤さんもまた益子周辺の石や天然灰などを混ぜ幾種類かの釉薬を作っています。
その配合もその時々によって微妙に変化することで、同じものがない、幾通りもの釉薬になり、やきものが生まれています。


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小サイズといっても、だいたいφ115×高さ55mmぐらいの範囲内なので、目立って小さいわけではなく男女問わず使ってもらえる大きさ。

日々のお料理、季節のお料理を、気張らずにその人のペースで楽しく食するのに、なんとなく気に入った器があると嬉しい。
そういう「気張らずに」のごはんに、ちょうどいい安心感をくれるご飯茶碗だなといつも思っています。