日誌
2023-02-16 21:21:00
近藤康弘さんの薪窯茶カップ
口縁部分を平たく薄い造りにしています。
これが本当によく唇にフィットして心地よく、飲み物が口中へ流れ込んでいくためのガイドラインのようなに働きもしています。
使ってみると水もお茶も、不思議と甘みを感じました(店主の個人的感想です)。
益子湯呑みの系譜を受け継ぐ、たっぷりしたサイズ。
昔ながらの日常雑器の佇まいはクラシカルな印象です。
近藤さんのトレードマークの飛び鉋模様も施してはいますが、敢えて主張させることはなく釉薬の下からうっすらと見せるようにとどめています。
持つ手に添うような、やや膨らみを持たせたたっぷりした形をしています。
益子焼の特徴でもある、高温でしっかりと焼きこむ焼成を行っていてからりと焼きあがっていて、見た目よりも軽量感があって使いやすいカップです。
釉薬がかかっていない部分は、薪窯独特の赤みである「緋色」が出ています。
うっすら光沢もあり、ほのかな色気も感じます。
細やかな貫入が全体にうっすらと現れていて、時間を経るごとに味わいを増してきそうです。
薪窯焼成による灰被りの自然釉が、カップの内側や底にほんのりと溜まっていたり黒い点として見ることができます。
私自身も湯呑みとして使っている、お気に入りのカップです。
全体として控えめで気取らない佇まいは、手にするたび、お茶をすするたび、ほっと和ませてくれます。