日誌

2023-08-19 20:05:00

燦然と宿るもの

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近藤康弘さんの個展まであと7日。

おなじみの近藤康弘さんの蓋物(中)。
写真のは飴釉。
常備菜を入れてみた。
お塩や調味料、乾物なんかを入れておくのもももちろんいい。
年々蓋と身の合わせの精度が上がりまくっていて、今回のは過去一密閉性が高い気がする。

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まだこれが定番になる前、だいぶ昔に原型のようなものを見せてもらった時
あまりにも飾り気がないから陶器市のお客さんに骨壺って言われたんですよ」
と近藤さんは笑って話してくれた。

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すとんとした筒形。
側面に何か彫りや飛び鉋などの加飾はない。
でも無骨は印象はない。
蓋には溝のようにの凹凸がつけてあったり、側面から底にかけては面取りしてあるなど、良質な削り仕事でディテールが作られている。

近藤さんは自分で、年々男くさい作風になっていると言うが、だからといって蓋物類には窯元での修行時代に培われたしっかりと下地のある職人仕事が失われる気配はない。
それは近藤さんの持つ元来の繊細な気質と結びつき混じり合い、すでに血肉になっている。
蓋物は、一定レベル以上の正確な技術と仕事、そして経験も求められる品。
生活雑器を数多く作ってきた産地としての益子。
そこで修行し、確かな歳月を重ねてきた一人の陶工としての近藤さんとその努力と成果が、なんの変哲もなく見える蓋物には燦然と宿っている。

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8月展 近藤康弘 陶展  Nouvelle page
2023/8/26(土)-9/3(日)
12:00-18:00
会期中休 29(火)、30(水)
最終日のみ16:30終了

- 本展は予約制ではありません
-ただしお客様多数の場合は密にならないよう 外でお待ち頂く場合もあります