日誌

2023-08-22 23:49:00

何度でも

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近藤康弘さんの個展まであと4日。


のっぴきならないアクシデントに見舞われ、予定していた自らの薪窯での焼成を今回は見送ることにしたという連絡が、近藤さんから届く。
電話口の声は悔しそうだったし、事実悔しかっただろう。
私も悔しい。

ただし、そののっぴきならないアクシデントは車の故障に関するもので、まかり間違っていたら大変なことになっていたかもしれないから、まずは近藤さんの身体がなんともなくて本当によかった。

車は哀れなことになってしまったらしいけれど、近藤さんの身体さえ大丈夫ならば、自分の薪窯での作品焼成はこれからだってまた何度でも挑戦できる

自分の薪窯で焼くのは見送ったけど、残っている作品はガス窯でじっくり焼成するという。
出来上がったものを、今回の個展に送り込んでくれるそう。
他にも同じ益子のやきもの仲間の方の薪窯で焼いた作品もやって来る。


その分展示の準備は遅れるわけだけど…近藤さんががんばっているなら私も応えたい。

そういった事情で展覧会前の事前紹介の写真はあまり撮れないかもしれませんが、事前情報少なめで、何が並んでいるかは実際に展覧会に来てみて、目で見て感じて実物に触れてもらえたら嬉しいです。

展覧会の場でしかわからないもの、味わえないもの。
全部をわかりやすく事前に紹介し過ぎると楽しみも半減してしまうかもしれないと思ったりする。
展覧会の場だからこそ見られる楽しみを、ここで用意して皆さんをお待ちしています。
近藤康弘さんの在廊は初日8/26と27の予定です。︎

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8月展 近藤康弘 陶展 Nouvelle page
2023/8/26(土)-9/3(日)
12:00-18:00
会期中休 29(火)、30(水)
最終日のみ16:30終了

- 本展は予約制ではありません
-ただしお客様多数の場合は密にならないよう 外でお待ち頂く場合もあります
2023-08-21 22:42:00

こころの余白としての

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近藤康弘さんの個展まであと5日。

なんとなく夏もそろそろ終わるような、そんな気配を横に感じながら近藤さんのピッチャーを眺めた。
私はピッチャーという道具がとても好きで、水やお湯、飲み物を入れたり草花を生けたりと、頻繁に手にする。

でももし平均的なデータを取ってみたとしたら、必ずしもピッチャーや水差しは日常を送る上では必要不可欠な道具ではないのかも、と思い当たった。

と言いつつもピッチャー好きとしてはやっぱりおすすめしたい。
益子焼では実用的な生活雑器のひとつとしてピッチャーはよく作られている印象がある。
益子焼の流れをくむ近藤さんもまた展覧会などでは必ずピッチャーを作って披露してくれる。

近藤さんのものは、持ち手の角度がとてもちょうどいい塩梅で持ちやすい。
しっかりと握りやすい柄の太さで、傾けた時にも安心感がある。
口先の造りも心得たもので、しっかりと水が切れる。
とても実用的。

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なくてもいい。

けど実はとても実用的で、あると暮らしが美しく豊かになる。
ゆとりや、こころの余白としての道具といってもいいのかもしれない。



8月展 近藤康弘 陶展 Nouvelle page
2023/8/26(土)-9/3(日)
12:00-18:00
会期中休 29(火)、30(水)
最終日のみ16:30終了

- 本展は予約制ではありません
-ただしお客様多数の場合は密にならないよう 外でお待ち頂く場合もあります
2023-08-20 19:02:00

タイムレスなうつわ

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近藤康弘さんの個展まであと6日。
近藤康弘さんの陶器の椿皿。
白漆のようなややベージュがかった色合い。
椿皿というのは本来は漆器の銘々皿を指します。
径の広い低い高台があり手がかりのよい造り。
うつわの見込み…内側の部分はまあるく浅めにくぼんでいてリム幅がやや広めで額縁が太いので、中央に乗せた菓子などがが際立ちます。
そういったものが本来椿皿なのですが、近藤さんの陶器の椿皿風のこのうつわの使い良さもなかなかのものです。
本来の椿皿のような高台こそありませんが、ほどよい高さがあり、手がかりが良いので持ちやすい造りです。
あまり深すぎないので、料理の顔もよく見えて盛り映えします。

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佇まいからして昔の朝鮮のうつわから着想を得たのかなと思われる、素朴な容姿。
でもほんのりと淡い上品さも持っています。
透明釉なので白っぽい土の、どこか砂気混じりの枯れたような色や風合いが楽しめます。
派手さはなく控えめですが、滋味があります。
近藤さんのうつわは古陶磁などからインスピレーションを得たものも多く、それだけに流行りに左右されることのないタイムレスなうつわ、普遍的な使い良さが持ち味です。
塗りをやっている方からお叱りを受けそうな椿皿の命名は、近藤さんから
「どんな名前がいいですか?」
と振られ、苦し紛れに私が捻り出したもの。
本来の椿皿とは違うと分かりつつなので、どうかお許しのほど。

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8月展 近藤康弘 陶展 Nouvelle page
2023/8/26(土)-9/3(日)
12:00-18:00
会期中休 29(火)、30(水)
最終日のみ16:30終了
- 本展は予約制ではありません
-ただしお客様多数の場合は密にならないよう 外でお待ち頂く場合もあります
2023-08-19 20:05:00

燦然と宿るもの

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近藤康弘さんの個展まであと7日。

おなじみの近藤康弘さんの蓋物(中)。
写真のは飴釉。
常備菜を入れてみた。
お塩や調味料、乾物なんかを入れておくのもももちろんいい。
年々蓋と身の合わせの精度が上がりまくっていて、今回のは過去一密閉性が高い気がする。

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まだこれが定番になる前、だいぶ昔に原型のようなものを見せてもらった時
あまりにも飾り気がないから陶器市のお客さんに骨壺って言われたんですよ」
と近藤さんは笑って話してくれた。

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すとんとした筒形。
側面に何か彫りや飛び鉋などの加飾はない。
でも無骨は印象はない。
蓋には溝のようにの凹凸がつけてあったり、側面から底にかけては面取りしてあるなど、良質な削り仕事でディテールが作られている。

近藤さんは自分で、年々男くさい作風になっていると言うが、だからといって蓋物類には窯元での修行時代に培われたしっかりと下地のある職人仕事が失われる気配はない。
それは近藤さんの持つ元来の繊細な気質と結びつき混じり合い、すでに血肉になっている。
蓋物は、一定レベル以上の正確な技術と仕事、そして経験も求められる品。
生活雑器を数多く作ってきた産地としての益子。
そこで修行し、確かな歳月を重ねてきた一人の陶工としての近藤さんとその努力と成果が、なんの変哲もなく見える蓋物には燦然と宿っている。

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8月展 近藤康弘 陶展  Nouvelle page
2023/8/26(土)-9/3(日)
12:00-18:00
会期中休 29(火)、30(水)
最終日のみ16:30終了

- 本展は予約制ではありません
-ただしお客様多数の場合は密にならないよう 外でお待ち頂く場合もあります
2023-08-16 17:10:00

異国風の耳付き鉢に西瓜

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近藤康弘さんの個展まであと10日。

食べると夏を実感する西瓜。

今年最初で最後かも。
近藤康弘さんの、どこか異国風の耳付きの鉢にどうしても西瓜を持ってみたくて実行する。
こんな形をいったいどういう経緯で近藤さんは想起したのだろう。
留学したデンマークの古陶磁にもこういった形のうつわはあるはずだし、近藤さんが足繁く通う益子の「濱田庄司記念益子参考館」にもハマショー氏が旅先で買い集めた世界各地の陶磁(アジア、ヨーロッパ、南米のものなど多彩に収蔵されている)があるので、そういったものを眺める中で、自分の制作の養分にしたのかもしれない。

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フルーツの盛り鉢によさそうな形。

或いはスープやサラダ、煮物などをたっぷりよそって食卓に置いて、それぞれが好きなだけ取り分けるのにも良さそう。

考えれば用途はいくらでも浮かぶ。

でもこういううつわは何か便利な用途があるために使うというよりは、この堂々とした個性的な姿と趣に愛着を覚えてあれこれ想像力を働かせながらクリエイティブに使うのが、自然でいいなと思う。


8月展 近藤康弘 陶展 Nouvelle page

2023/8/26(土)-9/3(日)
12:00-18:00
会期中休 29(火)、30(水)
最終日のみ16:30終了
- 本展は予約制ではありません
-ただしお客様多数の場合は密にならないよう 外でお待ち頂く場合もあります

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