日誌
2023-03-10 20:05:00
飯島たまさんの暖簾

さらさらふわり、暖簾が揺れる。
飯島たまさんの葛と大麻(おおあさ)の暖簾。
この中にはたくさんの植物が宿っている。
川原に赴き、採取された葛蔓。
表皮が柔らかくなるまで煮て、草の室(むろ)で葛を覆い、


その後、水で表皮を洗い流し、靭皮から葛の繊維を取り出す。

取り出されたのはまるで絹のように光とつやを帯びた白く美しい繊


繊維を結びつなげていく。
葛糸を作ることは紡ぐとは言わない。
「績む」(うむ)と言う。
白く輝く美しい葛と、強くたくましい大麻を手績みし、
糸の一部は、蓬や蓼藍、金木犀によって色が施された。
糸たちは機に張られ織り上げられ、ついに布となった。

川原や庭の草木たちは今や暖簾に。
光を受け、風に吹かれ揺れている。
自然の恵み、受け継がれてきた工夫、新たに生み出す創意。
それらを結びつけ、飯島さんは今日も明日も一歩ずつ進める。
【次回展覧会】
harmonia
飯島たま×小川麻美×橋本晶子 展
2023/3/25(土)-4/2(日)
12:00-17:30
‐3/25(土) 12:00-14:00のみ予約優先制
‐close 3/28(火)、29(水)
‐最終日4/2(日) 16:30close
2023-02-22 18:13:00
飯島たまさんのものづくり
飯島たまさんのウールマフラー「冬の樹|斜A」。
こちらは完売しましたが、まだほかのマフラーもweb shopではご用意しています。
空気をはらみながら軽やかに織られ、ふわりと浮かび上がるかのよ
たまさんのものづくりはかっこいい。
最終的に出来上がった作品たちの素敵度はとびきりですが、そこま
この斜Aのマフラーは藍染めされた糸が使われている。
その藍は、たまさんが庭で育てている。
そこから始まっている。
育てたものを採集したり、近隣へ出かけての植物採集も。
またある日は糸車で原毛を紡ぎ、糸を作る。
採った草木で染めを行う日も。
気に入った色に染まるまで、何日もかけて冷たい水に何度も手を浸
機織りの工程はほんのわずか。
「織っている時間はあっという間に終わってしまい惜しい気持ちに
とおっしゃっていた。
大変そうですねと言われることも多いだろうし、積み重ねる手間の
工程の大変さなど微塵も醸し出さずに、ただただ美しい手仕事のマ
さり気ない装いの品として、身につける人をあたためてくれる。
そんなところも、かっこいい。