日誌

2022-12-01 15:49:00

12月展|小野陽介 陶展「Polaris」04

sDSCF4001_R.JPG

/////初日の予約受付は12/7(水)から開始予定です(今回は先着順での受付・詳細は後日に)/////

茨城県石岡市で作陶する小野陽介さんのもとに足を運んだ日。
窯出しだった。

今までは薪窯。
新しい窯はガス窯。

sDSCF3987_R.JPG
sDSCF3991_R.JPG


「薪(窯)だからうまくいかないのかなあって考えてたある事があったんですけど、ガス(窯)になっても、その事が結局あんまり変わらなかったんですよね」
「なんだ、窯のせいじゃなかったんだなって。たぶん」
「家には薪窯しかなかったから、ガスのことはまだあまりわかってなくて」

同じ陶芸家である父の作った薪窯が、家にはずっとあった。
そして今、独り立ちして手に入れた、自分だけのガス窯がここにはある。

sDSCF4002_R.JPG
sDSCF4005_R.JPG

薪窯ならではの火の起こり方、燃え方、熱量、窯内の灰などもやっぱりよかったなと感じるという。
でもガス窯でも面白いことは絶対できそうな気がするとも話していた。

わからないことはまだたくさんある。
思い通りにいかないこともたくさんある。
でも未知の物事ひとつひとつに対して、自分のペースでじっくりと集中して向き合い、データを拾い、手探りしながら広げていくことを小野さんは楽しんでいた。

sDSCF4047_R.JPG

実家で作陶していれば父から教えてもらえることもたくさんあっただろう。
だからこそ、自分だけでひとつひとつ発見し、獲得していくことがずっとずっとしたかったのかもしれない。
未知の物事に喜びを覚えているような、そんな笑顔がこの日は印象的だった。

sDSCF4052_R.JPG
sDSCF4073_R.JPG


小野陽介 陶展 Polaris
2022/12/17(土)-25(日)
11:00-17:00

-初日11:00-13:00までは予約制にて受付
-初日後半の時間帯、二日目以降は予約不要でご来店頂けます
-最終日12/25(月)のみ16:30で終了
-展示期間中は12/20(火)、21(水)が休み


小野さん3年ぶりの百職での個展となります。
ぜひご予定空けて楽しみにお待ちください◎

2022-11-29 15:39:00

12月展|小野陽介 陶展「Polaris」03

B5BC44E9-95A1-4FFB-BB6F-77ADEC8D37E1.JPG

人や動物たちの道標とも言える北極星は、実は不変ではない。
いや、不変ではないというのは、やや語弊があるかもしれない。

自転している地球の歳差運動により天の北極が移動するため、北極星の役割を果たす星は、徐々に徐々に角度を変え、やがてほかの星と役割を交代していくのだ。
およそ25800年で元の星に戻り、これを繰り返す。
現在の北極星であるこぐま座α星(Polaris)は西暦2100年頃に天の北極に最接近し、西暦4000年頃にはケフェウス座γ星(Errai)が、新たな北極星になるという。

小野さんの代名詞として挙げる人も多いかもしれないのがコバルト釉の青いうつわ。
新しい場所に移り住み、窯が変わり、焼成条件も大きく変化。
色合いや釉調にも以前とは異なる佇まいを小野さんは今感じており、新たなコバルト釉への変化と模索の時を迎えているという。

35E43832-E71F-49A2-878C-E3DFC7020CB0.JPG

何事にも変化や変遷はつきものだ。

円環のように移り変わりゆく中では、流動するからこそ生み出される「豊かさ」もある。
決して不安や怖さだけではない。
楽しみや喜びや収穫も、そこに見出すことができると信じたい。



小野陽介 陶展 Polaris
2022/12/17(土)-25(日)
11:00-17:00

-初日11:00-13:00までは予約制にて受付
-初日後半の時間帯、二日目以降は予約不要でご来店頂けます

-最終日12/25(月)のみ16:30で終了
-展示期間中は12/20(火)、21(水)が休み

-

12月展は営業時間を ※11:00-17:00 に変更します。
日が短くなったので季節と共に。
小野さん3年ぶりの百職での個展となります。
ぜひご予定空けて楽しみにお待ちください◎
2022-11-24 15:30:00

12月展|小野陽介 陶展「Polaris」02

fe3b18745a1c1d394aef3f300bda02ee.jpg

渡りを行う小鳥の中には、夜明けに見知らぬ土地に着くと、地元の鳥の後を追って食物や水の在処を知ったりするという。

新たな土地である石岡に移り住んだ小野陽介さんも、その土地のことを見聞きして知り、周辺の石や地層、土の場所や様子を観察したという。
そして実際に手にした近辺の土。
鉄分を含んだその土を使い、青緑色の釉薬を作り出し試行錯誤を続けている。
青緑の中に、黄土色のような色も同時に発することのある自然ならではの計算のつかない美しさがある釉だ。



小野陽介 陶展 Polaris
2022/12/17(土)-25(日)
11:00-17:00

-初日11:00-13:00までは予約制にて受付します
-初日後半の時間帯、二日目以降は予約不要でご来店頂けます
-最終日12/25(月)のみ16:30で終了
-展示期間中は12/20(火)、21(水)が休み
2022-11-23 18:24:00

12月展のお知らせ

展覧会「小野陽介 陶展 Polaris」のお知らせ


ルリノジコ (瑠璃野路子)という渡り鳥は雛の時期に北極星を見て方角を学ぶそうだ。
渡り鳥の多くは、夜は北極星を目印として飛んでいるという。
鳥も船乗りも旅人も等しく自らの位置を知り航路を決める拠りどころ、北極星。
それは天球面上の天の北極に最も近い輝星である。

生まれた場所でもあり陶芸を始めて以来ずっと暮らしていた益子。
小野陽介さんはそこから独立し、昨年冬、茨城県石岡市へと作陶と住まいの場を移した。

新しい場所で土を掘ってみる。
その土が素地に向いているのか、釉薬の材料に向いているのか。
くり返し確かめる。

新しい窯との付き合いも始まった。
そこで見たのは、今までとは異なるうつわの風景。
考えや工夫を試す日々。
これまでの積み重ねに、これから新しく積み重ねていくものを、ひとつ、またひとつと獲得していく。

今、どこに向かい、目指しているのか。
拠りどころとする北極星を、心に、空に見る。
そしてうつわの中へ映し出す。


小野陽介 陶展 Polaris
2022/12/17(土)-25(日)
11:00-17:00

-初日11:00-13:00までは予約制にて受付します
-初日後半の時間帯、二日目以降は予約不要でご来店頂けます
-最終日12/25(月)のみ16:30で終了
-展示期間中は12/20(火)、21(水)が休み

小野さん3年ぶりの百職での個展となります
ぜひご予定空けて楽しみにお待ちください◎
2022-11-23 11:12:00

展示終了の御礼、通販発送について

7d363f3963198a00ecf3bbae2a0845e6.jpg

長文過ぎて誰も読まないかもしれませんが載せます。

今はどうか知らないけど、中学生の頃、美術科目の授業ではクロッキー、デッサン、水彩画、平面デザイン、版画などの実技もあったが、他の教科と同じくペーパーテストもあった。
ペーパーテストでは用語、美術史、画家についての知識の他、実際に答案用紙に絵やデザインを描く内容もあって、答案用紙は具体的に「何点」と採点されて返ってくるのだった。
採点制のテストなので当然の話。
当時中学生の私は美術部に在籍し、美術の成績も良かった。
が、そもそも「何点」とつけられることに、不満、疑問、居心地の悪さを募らせていた。

クラスのどの子にも「自分なりの物の見方」がある。
なのに、そこに点数がつけられるように感じるシステムがものすごくいやだった。
というか腹を立てていた。
通知表の関係でペーパーテストが必要なんだろうなということは薄々わかりつつも。

ある時のテスト中、その不満が突然爆発した。
解答をさっさと全部書き終えた答案用紙の裏側に、日頃からの違和感や矛盾を感じている気持ちを書き連ねた。
そして最後に、書いた解答を全部消しゴムで消し、提出した。
怒れる中学生は、こうして小さな反逆行為を実行してしまった。
点数をつけなければいけなかったN先生はそりゃ大変だったろう。

呼び出しもなく静かに日々は過ぎた。
そしてついに戻ってきた答案。
どうなったんだろうとちょっとハラハラして見ると、裏にはN先生からの返事があった。

「先生も本当はペーパーテストをやりたくはありません。ごめんなさい。本当の先生の願いは、少なくとも中学での美術の授業は出来上がった作品の優劣をつけるものではなく、美術を通して物の見方を広げたり、絵や作品を仕上げる過程であなた方が何を感じて、何を考えたのかということから、この先の人生に生かせるようなことを見つけてほしいと考えています。みんなが卒業するまでに、これからは少しでも、毎日や生きることの中での面白いものを発見できるヒントを美術の授業を通して伝えたいです。
がんばります」

細かい言い回しは記憶が薄れかけているが、そういう意味の内容だった。
点数は零点ではなく、消しゴムで消してもうっすら見えていた私の解答に対しての採点が行われていた。

今回井上さんの作品が届いた時、この時のことが思い出された。
他の陶芸家さんや陶芸作品との「違い」について書くことがあっても、比べるのはしたくない。
井上さんのうつわはどこまでいっても、強く濃く井上さんであると思う。

少年時代から好きだったという鉱物の世界。
その質感や輝き、土中に埋もれているというロマン、歴史。
そこからのアプローチで始まる作陶への考え方や工夫がうつわの中に見事に反映されて、独特のヒビの出方の度合いや窯変の好み、まるで天然の鉱物と見まごうような釉調などに現れていると私は感じた。

作陶の「技術」というものは手を動かし作れば作り続ける限り自然と熟達していくものだが、感性や考えは自発的に自らの中に「水」や「養分」の役割となるものを取り入れたり吸収していく必要があると思う。
水や養分になるのは、学びや研究もそれにあたるかもしれない。
この学びや研究が井上さんは特に素晴らしいし、吸収する姿勢は貪欲といってもいいかもしれない。
誰とも比べる必要などない。
 「自分なりの物の見方」が揺るがないように、努力をしている。
それが井上茂さんという陶芸家だと思う。

今回の展にお運びくださった皆さん、通販をとおして作品を選んでくださった皆さん。
一緒に楽しい時間を共有してくださり本当にありがとうございました。

三年後(くらいかな?)に、井上さんの作品群と再会できる日を、どうぞ楽しみに待っていてください。
そして井上さんと奥様へ、心からの感謝をお伝えします。

最後になりますが、web通販は本当にたくさんのご注文を頂きました。
かなりの件数にのぼったため、ご発送までに10日以上かかってしまうお客様も出てきそうです。
一人作業ゆえ、大目に見てください、、
無事にお手元に到着するよう最善を尽くしますので、どうか辛抱強くお待ち願えますと助かります。



こころの風景|井上茂 個展
-実店舗展覧会、通販ともに終了しました
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ...