風に吹かれて
2025/2/22(土)‐ 3/8(土)
12:00‐17:00*
*3/8(土) 16:30終了
12:00‐17:00*
*3/8(土) 16:30終了
休廊日 2/25(火)、26(水)、3/4(火)、5(水)
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はじめて井上茂さんの工房にお邪魔したのは、
帰り道、少し薄暗くなった外は
寒風が吹きすさんでいた。
その二年後の初夏にもお訪ねし、あの日は到着した駅のホームでもう夏本番かと思うような
その二年後の初夏にもお訪ねし、あの日は到着した駅のホームでもう夏本番かと思うような
ぬるい風に頬を撫でられた覚えがある。
井上さんの工房の庭には原土が干され、
青葉を揺り動かす薫風によって
土埃が舞い上がっていた。
そのせいなのか頭の中では
ボブ・ディランの「風に吹かれて」が鳴っていた。
井上さんは陶芸の世界に身を置く前、
自動車関連の仕事でサラリーマンをしていたことは知る人も多いと思う。
井上さんは陶芸の世界に身を置く前、
自動車関連の仕事でサラリーマンをしていたことは知る人も多いと思う。
遡ると少年時代には
鉱物や土の世界にはまっていたという。
今では原土を手に入れたり、時には土を掘り、
今では原土を手に入れたり、時には土を掘り、
またある時はさまざまな天然素材を譲り受けるなどして作陶している。
原土。
原土。
それは焼き物用に使いやすく整えられた土ではない。
成分も不安定、不純物もいっぱいで
焼きのロスも出やすいから非効率的。
扱うには難しさを伴うもの。
そう、いわば原土は暴れ馬やじゃじゃ馬、
気まぐれな自然そのもの。
それを乗りこなす困難さを少年に戻ったように
楽しげに実に嬉々として語る。
展覧会を前に久しぶりに電話でお話しても井上さんは
やきものを語らせると本当に饒舌だ。
展覧会を前に久しぶりに電話でお話しても井上さんは
やきものを語らせると本当に饒舌だ。
きらきらとした情熱とひそやかな鋭さは、
土の中に隠れている天然の錆や
鋭い小石のようでもある。
答えそれ自体が風を生み出し、今もなお吹いている。
土の中に隠れている天然の錆や
鋭い小石のようでもある。
答えそれ自体が風を生み出し、今もなお吹いている。
風の中にある自分だけの答えを手にするべく、
井上さんは旅を続ける。
定番の彫三島、印花三島も
土、釉薬配合、焼成タイミングを変えながら
新しい取り組みも込めて。
井上さんは旅を続ける。
定番の彫三島、印花三島も
土、釉薬配合、焼成タイミングを変えながら
新しい取り組みも込めて。
近年取り組んでいる新たな荒ヒビの粉引や灰釉のものも今回ご用意くださるという。
早春の気配の中、土の力が満ち溢れる時間を
皆さんと一緒に私も楽しみに待っている。
早春の気配の中、土の力が満ち溢れる時間を
皆さんと一緒に私も楽しみに待っている。