耐冬花

 

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陶 近藤康弘 硝子 前嶋洋明 二人展「耐冬花」

2025年12月13日(土)‐28日(日)
12:00‐17:00
*休廊日 16日(火)、17日(水)、23日(火)、24日(水)
作家在廊日 13日(土)予定 *前嶋さんのみ

- 最終日の28日(日)のみ16:30終了
- 事前予約制ではありません
- お支払いは現金のほか
各種クレジットカードをご利用いただけます

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本年最後は、益子の陶芸家 近藤康弘さんと、
笠間のガラス作家 前嶋洋明さんによる
二人展を行います。

近藤康弘さんとはお付き合いが始まってから
15年近くになろうとしています。
大阪府千里に生まれ、
2004年から益子の榎田窯で修行。
その後独立築窯し、以来益子で作陶。
3年前には登り窯を築かれ、試行錯誤をしながら
やきものへの純度を高めてきました。

前嶋洋明さんは2年前に
益子で買い求めた硝子の花器を手にして以来、
いつか展覧会をお願いしたいと温めてきた作家です。
茨城県ひたちなか市に生まれ、
2005年から硝子の道へ。
笠間と常陸太田市の硝子工房での
アシスタントやスタッフを経て
2021年に独立し、その際には自作で築炉されたそう。
歴の長い作家らしい根っこの太さを感じさせ、
日本酒の瓶を溶かして制作する硝子からは
健やかなうつくしさを観る者に伝えてきます。

二人は花活けの会で知り合いになり、
椿好きが高じ〈椿の友〉となります。

そして迎えた2023年の冬。
近藤さんに突然病が見つかります。
それにより生活をはじめ、あらゆるものが一変。
しかし闘病と並行しながら、
陶芸の道を再生することを決め、歩み始めました。
前嶋さんは作家仲間として友として、
間近で彼と向き合い、
叱咤激励し、手を差し出し、
ともに苦しみともに喜び、支えてきました。

お二人から届いた作品は、
それぞれにこころの静けさとカ強さが
同時に息づくような造形と景色が
描き出されるようでした。
生きることを模索しながら、
より純粋により広々と
「陶芸」と「硝子」と向き合う現在地。

お二人の過ごしてきた二年近くは、
奇しくもほかならぬ冬の椿の生きざまのように
思えてなりません。
寒気凛冽の冬に耐えながら、花を咲かせる椿。
別名〈耐冬花〉。
並び立つふたつの耐冬花は、
どのような姿を伝えてくれるでしょう。

喜びも悲しみも、清らかさも濁りも、
すべてを抱えながら生きている。
冬越えの花のようにうつくしくたくましいものたちは、
輝きに照らされ、
今、ここに在ることのしあわせを噛み締め、
祝福されているかのようです。

本展では食器、茶器、花器などをご紹介する予定です。
うつくしさのその先にある、
心動かされる何かがここにあります。
やがて来る新しい年を前に、ぜひご覧ください。

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