読み物
椀籠屋の石井 鉄屋の鈴木 ②
通奏低音 一問一答|石井 美百さん編
一問一答|“ひとつひとつ正直に真面目に作っています”
通奏低音のように。
それは物事の底流に在るもので、気付かぬうちに知らぬ間に、もの
質問1
ご自分の言葉で自己紹介をお願いします。
石井 ―宮崎の田舎育ちです。進学でふるさとを離れ、
質問2
どのような思いやきっかけでこの道に進まれましたか?
石井 ―20年程前に初めて竹かごを家に迎え入れ、そのステキさにすっかりハマってしまいました。好みの竹かごを探し続けましたが、なかなか見つからず、それなら自分で作ろう!、作りたい!、と思い続けること10年以上。そんな時、転勤とは無縁だった主人が突然大分に異動になりました。大分にいた約2年の間、別府や安心院などで竹細工の基本を学びました。神戸に戻り、地域の資源を生かしたものづくりをしたいと思い、竹林整備活動に参加しながら竹かごの制作をしています。
石井さんが初めて手に入れた竹籠。宮崎の、道の駅の隅のほうに置かれていたという。九州系の竹細工に見られる表面の「磨き技法」による仕上げで美しい飴色になっている。脚の一部を石井さんご自身で修繕したそうですが今でも現役でとても丈夫。こんな籠がつくりたいと石井さんは言う。
質問3
自身の制作をする上で、
石井 ―いつもラジオを聴きながら制作してます。
質問4
座右の銘や好きな言葉、
石井 ―「いまを生きる」。
質問5
今回の展示で出される作品について何か思い入れのある作品だった
石井 ―自分が使うとしたら…、といつも考えながら、ひとつひとつ正直に真面目に作っています。
石井さんの家には、大分で修行していた頃「とにかくこっちにいる間にたくさん練習しよう」という思いで拵えた籠がたくさんあり、実際に家のあちらこちらで使われている。現在手がけている青竹細工と違い、別府竹細工特有の白竹作品が多い。
石井美百(いしい・みほ) 略歴
1975 宮崎市生まれ
2017 大分県別府市や安心院で竹細工を学ぶ
2019 神戸に戻り地元の竹を使ったかご作りを始める