読み物

はじまりまたはおわり おわりまたははじまり ④

竹村聡子さんへ はじめて・これから・続けることに関するQ&A

竹村聡子さんへ はじめて・これから・続けることに関するQ&A


通奏低音のように。
それは物事の底流に在るもので、気付かぬうちに知らぬ間に、もの全体に影響を与える。「もの自体」だけではなく、根源となるその作家自身の存在は欠かせない。それだけに作品のみならず出展作家さんのことを少しでも知って頂きたいという思いがいつもあります。
今回は1人×1ユニットから成る展覧会です。
タイトルや展示テーマから取った「初めて」「(物事が続く)継続」を織り込んだ一問一答。
作品を紐解く手助けや愛着を深めていく入り口になれば幸いです。



Q1.はじめましての方に向けての、経歴とは違う自己紹介をお願いします

A1.幼い頃から何かを作ったり描いたりすることがなんとなく好きでした。
学生の頃に陶芸サークルに入ったことがきっかけで、せとものの街・愛知県瀬戸市へ行き陶芸を学びました。その頃に展覧会で観た藤田嗣治の素晴らしき乳白色の絵画に影響を受けて、瀬戸の白磁土と独自調合の乳白色釉を用いて制作することにしました。
人形美術家・人形アニメーション作家の川本喜八郎さんの美術館での勤務経験があり、川本さんの作品や人形を通じて得た感覚を銀彩を用いて制作に落とし込んでいます。

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Q2.最近の中で遭遇した「初めて」の出来事や体験を教えてください

A2.最近初めて知って腑に落ちたことなのですが。
見仏が好きで近所や旅行先で寺を巡っては好い仏像に出会えると心が震えるのですが、美術館や博物館での展覧会で見る仏像達には心が動かないことが多々ありそれは何故だろうかとずっと疑問に思っていました。
そんな中最近仕事中に流していたラジオ番組で、展覧会等で仏像達が寺を離れる時は住職が魂を抜くための儀式をするという話を偶然聞き、私自身人形劇や人形アニメーションに関わる仕事をしていたことの影響も強く、自分の制作の中で特に銀彩にはanimate(=命を吹き込む)を意識して大切にしている部分なので、ものに宿る命や魂の有無には敏感でいたいと思いました。

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Q3.同じように陶芸を新たに志したい方に向けて「これは大切だよ」ということを一つ挙げるとすればなんでしょう?もっと広く「ものづくりを志す方へ」というものでもよいです

A3.納期を守ることです。
どの業界でも言えることだと思いますが、仕事をする上でまず相手方からの基本的な信頼を得るために最低限の決まりを守ることが大切だと思っています。

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Q4.これまで継続して今のお仕事をされてきたと思います。続けることがなぜ大事なのかは自分で発見していくものでもありますが、自分の力でものごとと向きあい続ける中でご自身が学ばれた一番大きなものはなんでしょうか?

A4.一つのことを続けている中でこの世のものごとは共通していたり繋がっていることが多いと気づくことができたのが一番の大きな学びです。
自分の生まれた国の歴史や文化を知り、世の中で今何が起こっているか目を向けながら制作を続けていきたいと思っています。

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Q5.これから深まっていく冬で、一番好きな食べ物を教えてください

A5.お餅です。私の実家では昔から大晦日の前の日に餅をつき小さな鏡餅を作ります。それから神棚や氏神様、ご先祖様達の眠るお墓等の掃除をして、注連縄や松飾り、御神酒と共に鏡餅をそれぞれにお供えをし、一年の感謝のお参りをして回ります。その後家の掃除や片付けを済ませてから暖かい部屋で残りのお餅を焼いて食べるのが大好きだった思い出があります。つきたての美味しいお餅を食べるためにも代々受け継いできた冬(年末)の行事と習慣を私も守っていきたいです。
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