読み物

Fail better,Wonderful happens. ④

出展作家/参考出展作品 su-nao homeさん、高木剛さん、とりもと硝子店さん

出展作家/参考出展作品 su-nao homeさん、高木剛さん、とりもと硝子店さん


su-nao home|リム深皿rm-4

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su-nao homeの松本圭嗣さんから届いた今回のリム深皿rm-4。
規格内と規格外について、作り手は各々の物差しを心と目に携えている。
このリム皿たちはいつもよりも釉薬を厚くかけてしまったことで、規格内のレギュラー作品とは釉調が異なってしまったという。
それでも焼き上がりに美しく感じる部分が多く、工房の隅に数年間眠っていたのだそう。

su-nao homeさんの〈黒の器〉は常に凪いでいる夜の水面のよう。
その黒が、この時は風に吹かれざわりとさざめいた。
黒はより黒く深みを増した。
目を凝らすとリム皿の釉肌はいつもよりも饒舌で、豊かで芳醇な階調を堪能できる。

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高木剛|カイラギ茶碗

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カイラギとは漢字では梅華皮と書いたり梅花皮とも書いたりする。
ものの本によると
「 梅花皮はインド洋などに生息する特殊なエイの皮に漆を塗って研ぎ出したものを指す。表面の凸部は白く、凹部は黒く残り、あたかも梅の花が咲いたように見えることからこの名が付いている
とある。

陶芸では釉が縮れたり粒状になっている様子が梅花皮に似ていることから同じ呼び名が使われるようになったというのが通説。

こちらではそろそろ梅の見頃も終盤。
花を眺めながら高木さんの茶碗のことを思い出していた。
茶碗をお蔵入りさせていた理由は〈釉景不足〉ということだった。
高木さんが求めていたよりも淡味ということなのかもしれない。
一方で淡い味わいを好む人もいる。
お茶を味わう時間を経るごとに、どこか物足りなく感じていた中にもその物だけの景色が徐々に作られていくようにと願う。

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とりもと硝子店さん|大鉢

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ポンテ跡がきつく泡の模様にも思うところあって眠らせていたということだった。

大きく、素材の存在感が際立つ。
とりもと硝子店さんが作る透明なガラス。
澄み切っている、悠然と。
光と水をたっぷりと備えて。
静かでありながら、確かなエネルギーを発している。

無数の小さな泡粒は、水中にダイブした時の躍動する感覚や水を打った衝撃を思い浮かべた。
仕上がりに思うところがあっても、とりもと硝子店さんが作るガラスの持つ光と翳ときらめき、太陽のような生命力がこの中に満ちていると私は思う。

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