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2021.10.25 Monday

読み物

With a warm feelings ②

  • su-nao home 松本圭嗣さん

    su-nao home 松本圭嗣さん

     

    su-nao homeというブランドを立ち上げ、陶器の黒いうつわを作っていらっしゃる松本圭嗣さん。
    常設でお取扱したことは今までなく、今回の二人展で百職では初お目見えとなります。
    ただ以前からsu-nao homeさんのうつわとお名前は知っておりました。

    あれは2015年の「灯しびとの集い」。
    作家さんの販売の手伝いしていた時、隣のブースで出展されていたのがなんと偶然にも松本さんのsu-nao homeさんでした。
    松本さんのブースは二日間とも大人気で大賑わい。
    (あの頃は確か生まれたばかりのお子さんも連れておられたような。ブースも忙しそうでしたが、お子さんのミルクやおしめなどでたぶん奥さまが慌しくされていたことをなんとなく覚えています)

    んなうつわかちょっと覗きに行きたいなと思いつつ、ほぼずっとお客様でいっぱいの状態で中々見ることができず。
    それでもようやく隙間から覗いてみると本当に黒いうつわだけ。
    黒のみに絞っているところが逆に見る人には伝わりやすく、色を絞ることで多彩なフォルムがいきいきして、サイズ展開の豊富さもありすごく使いやすそうでした。

    あとはおぼろげな記憶ですが、うつわ自体が今よりもほんの僅かにまだ厚みがあったような気がします。
    シンプルなものは、うつわ自体の厚さや薄さ、ほんの少しのリムの角度や口辺の口作りの角度などでぐっと印象が変わります。
    もっと洗練されていったら、これからどんどん黒の映える美しいうつわになっていくんだろうなあ…などと生意気なことを思っていました(すいません松本さん…)

    そして実は、その時にも一度お店として声をかけてみようかなと、灯しびとから帰ってきてからしばらく考えている時期がありました。
    でも当時の百職は今以上にまだまだ未熟なお店だったので取扱作家さんを増やすことに不安を感じていました。
    もしお付き合いさせてもらえたとしても、ちゃんと作品を見て意見を伝えたり、一緒になってより良いものを作るお手伝いができるだろうかと私自身が店主としていまいちまだ自信が持てない頃でもありました。

    そうして結局踏み切れないまま時は過ぎ。
    2019年の6月、陶芸の井上茂さんの個展開催の折。
    思わぬ出来事が。
    井上さんと交流があるとのことで、なんと松本さんが展示をご覧になりにいらしたのでした。
    その際、松本さんは「B品ですがよかったら使ってみてください」と小鉢をくださいました。
    2015年の時は手にすることができなかったうつわ。
    松本さんから頂いた時、その時は何も言わず態度にも出さずでしたが、
    「運命ってやっぱりあるのかもしれない」
    と感慨深く心の内側があたたかくなったということは、今本当にはじめてここで書きました(松本さんにもまだ話していません笑)

    本さんが作るsu-nao homeのうつわ。
    ても細やかに気持ちを行き届かせて作られている食器です。
    一見些細に思えることでもそのささやかな気づきの積み重ねや集積。
    それが、うつわの姿となって仕上がり、それがすべてとなって還ってくる。
    それがあるから、使う人も扱いやすく安心して気持ちよく使うことができる。
    あの頃よりもますます美しいシルエットやディテールを感じています。
    皆さんと一緒に私自身も、これからsu-nao homeさんのうつわの魅力を発見していきたいです。


    su-nao home
    |松本圭嗣 略歴

    1973 京都市生まれ
    1995 アメリカ サウスダコタ州 Dakota Wesleyan University で陶芸を始める
    1998 追手門学院大学 経済学部卒業
    2000 多治見市陶磁器意匠研究所 修了
    2000 板橋廣美師事
    2004 大阪高槻市に「やまぼうし工房」設立
    磁器の制作及び陶芸教室を主宰
    2015 陶器ブランド「su-nao home」を立ち上げる
    (HPより抜粋)

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