読み物
time piece ②
石井美百さんの青竹細工の網代編み弁当箱
人の手をかけ、晒して色を抜いて素材とする白竹。
対して青竹は竹本来の素材の色を生かしていることから、瑞々しい生命力と野性味が持ち味だと思う。
石井さんはこの真竹の青竹の直線的でナチュラルな個性を生かすならと、竹細工の基礎でありオーソドックスで整然としたシンプルな印象を見る人に与える六つ目編みや網代編みを採用している。
直線で構成された編み模様は、メトロノームが一定のリズムを刻むように安定感がある。
かといって変化の乏しい退屈さはない。
竹ひごの幅を変えて編むといった工夫を凝らすことで、シンプルな中にデザインの変化を生み出すこともできる。
弁当箱の小サイズはおにぎり2つくらいがちょうど入るくらいのサイズ。
中サイズはおにぎり2つとおかずが少し(から揚げ1つ、卵焼き1~2切れくらい?)が丁度良さそう。
ちなみに網代模様は漁に使う網が由来と言われ、網が邪気を防ぐとして魔除けの意味で使われたり、豊漁や大漁の縁起担ぎの意味もあると言われている。
また歴史が古い編み方でもあり、縄文時代以降の遺跡からは網代編みのかご類の一部が発見されている。