読み物

col tempo土居祥子さんと三温窯さん ③

日々の暮らしの中で欲しいと思うもの

日々の暮らしの中で欲しいと思うもの


土居さんはフィレンツェにある皮革職人の養成学校「scuola del cuoio」に短期留学し、鞄作りの基礎を学びました。

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土居:そこではクラシックなハンドバッグの作り方を学びました。型紙の作り方から、どういう芯材を入れるかとか。工作みたいで面白かったんですけどね。
厚紙みたいなのに革のシートみたいなのを貼って、その上に更に表にくる革を貼ってとか、スポンジみたいなのを切ってそれを貼ったり入れたり。
面白いんだけど、なんか…もっと革だけでシンプルにバッグ作りたいな、と。
きれいなハンドバッグってしっかり形が保たれるので長く使えるし、いいところもあるんですけどね。私が作りたかったのは結局、くたっとした体になじむようなトートバッグでした。

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クラシカルなハンドバッグを作る工程を知ってやってみて、知ったことでより自分の求めていることがわかりました。レザースクールではカリキュラム、課題がいくつかあり、それが終わって最後の期間に「好きなものを作っていいよ」って言われて、ふつうのシンプルなおっきいトートバッグを作りました。
私やっぱりこういうのが作りたいんだなって感じながらやっていました。

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自ら作ったバッグに触れながら
「シンプル過ぎて。なんかどこにでもありそうな形なんですけど」
と土居さんは言った。
でも、と土居さんは言葉を継いで
「『意外と探したらないのよね』とお客様がおっしゃってくださることもあって」
と控えめに、でも嬉しそうに微笑んだ。

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「革小物でもバッグでも、新しいものを作るときに考えるのは自分の日々の暮らしの中で欲しいと思うもの形にして、目にした時、手で触れた時に、心地のよいものであることを大切にしています」

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