読み物

平野日奈子 白秋ふわり ③

作家紹介 平野日奈子さんへの一問一答

作家紹介 平野日奈子さんへの一問一答

通奏低音のように。
それは物事の底流に在るもので、気付かぬうちに知らぬ間に、もの全体に影響を与える。「もの自体」だけではなく、根源となるその作家自身の存在は欠かせない。それだけに作品のみならず出展作家さんのことを少しでも知って頂きたいという思いがいつもあります。
簡潔な一問一答ですが作家さん自身からの誠実な言葉と考えをお読み頂きながら、作品を紐解く手助けや愛着を深めていく入り口になれば幸いです。
今回は展覧会を行う秋の季節にちなんだ質問にもお答え頂きました。


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質問1
はじめましての方に向けての、経歴とは違う自己紹介をお願いします

───小さい頃は絵を描いたり、小説を読んだり、家にある料理本を眺めているのが好きでした。家の手伝いでお皿を出してと言われて、今日はこっちの皿でカレーをよそおうとか今日のラーメンは重い黒天目の器だとかっこいいなぁ、などいろいろ載せてみるのが好きだったのも今に繋がっているなぁと思います。
中高は美術系の学校は行って、絵画やデザインの授業もいろいろ受ける中で、ろうけつ染めや刺し子などの時間があって自分の手を動かしながら作れる工芸がしっくりいくなぁと思った時に、陶芸なら食べる事も好きだったので、ちょうどいいと武蔵美の短大の専攻で選んでから、やきものを続けています。 
器をメインに、アクセサリーやオブジェなども使っています。


質問2
久しぶりの展覧会となります。百職のお客様にとっては比較的新しい印象のコバルト釉、青の釉薬、黄色の釉薬、三種類それぞれの特徴などを教えてください

コバルト釉
普通コバルトはブルーに発色するのですが、いろいろ試して今使っている土との相性でマットなグリーンになっています。紫色の食べ物(玉ねぎやブルーベリー)など少し載せてあげるととても似合います。


青の釉薬は15年前くらいから気になっていて、なかなかうまくいかず、調合を少し変えては試してはまた様子を見てを繰り返していたのですが、温度を変えたりしてやっと落ち着いてきました。還元落としのかかり具合で紺の中に水色や白が出てくるところも気に入っています。

黄色
釉薬が重なった所に白の結晶やもう少し濃いとピンクの結晶が出て、ちょっとした温度や釉薬の厚さでも表情が変わるのでぜひ1枚1枚比べてみてください。
アスパラとかブロッコリーとか載せると春っぽくなります。


質問3
今まで訪ねた中で、最も印象に残っている場所はどこでしょう。その時の思い出もよかったら少し教えてください

───20代の頃にケニアで活動している太鼓のグループの主催のツアーに参加して、バスで何回も乗り継いで行った村。太鼓を教えてもらったり(私は全然叩けません)夜通し太鼓や踊りの儀式を見せてもらって、その後の朝日が登る前のエメラルドグリーンがかった空を丘から見たのがとても綺麗でした。 


質問4
子供の頃、夏休みが終わるのは淋しかったですか?それとも学校が始まるのが楽しみなタイプでしたか?

───宿題は全然やらないタイプでしたが、ダラダラしているのも飽きるのでそろそろ学校でもいいかなぁと思っていました。


質問5
これから迎える秋で一番好きな食べ物を教えてください

───梨。近所の野菜の直売所で大きな豊水が出ると嬉しくなって抱えて帰ります。


質問6
夏の終わりや秋のはじまりで、風情を感じるのはどんな瞬間ですか?

───夜になって虫の声がにぎやかになって、夕方の色と影の色が変わってきたなと思う時です。


質問7
秋を迎えたらしてみたいことはなんでしょう?

───最近秋はわりとひたすら制作していることが多くて、いつかすごく綺麗な紅葉を見に山に登りたいと思っています。


質問8
これまで一定期間、継続して今のお仕事をされてきたと思います。自分の力でものごとと向きあい続ける中でご自身が大切に感じた一番大きなものはなんですか?

───手のひらにのせ、いいなと思えるものであったらいいなということと、おおらかなものでありたいなということです。

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