読み物
濵端弘太 木を見て我を見る ②
濵端弘太さんへ5つの質問 ①
濵端弘太さんの個展をさせて頂くのは2017年、そして2019年に続いて三回目。
2017年の個展は、濵端さんにとっても初個展でした。
にも関わらず非常に多くの反響があり、展覧会にも大変多くの方が運んでくださりました。
当時のInstagramの投稿を振り返ると、展覧会最終日を終えての挨拶に
「(初個展で)今回はこんなにもたくさんの皆さまに作品を手に取って頂けるとは私の想像を超えていました」
と綴ってあり、その時の興奮冷めやらない思いや驚きを思い出しました。
初個展から6年。
濵端さんはそれから着実に作品を発表し続け、広くたくさんのお客様やお店さんに知られるように。
久々の展覧会の機会を今回迎えました。
今までもいろんなお話を聞かせて頂いてきましたが、まだお聞きしたことがなかった制作に際しての少し深い部分での内容、次世代に向けて、子供の頃のことなどなど《5つの質問》をさせて頂きました。
濵端さんの重ねてきた時間、作るものへ反映されている様々なことがちらりと覗いてみえるような、ほんの少し紐解けたかもしれません。
ちなみに今回の「5つの質問コーナー」に載せた仕事場のお写真は、濵端さんご本人に撮影して頂いた貴重なもの。ぜひ楽しんでご覧ください。
──今の道を選んだのはどこに魅力を感じたからでしょう?続ける中で、挫折を感じたことはありますか? うまくいかないと感じた時の乗り越え方は?
濵端「子どもの頃から物を作るのが好きで簡単な木の工作などもやっていました。
木で物を作るのが好きだったんでしょうね。
高校卒業後はじめは家具作りを学びたかったのですが学校の事情があり伝統工芸の世界に入りました。
そこで小さな箪笥や小さな箱などを作るうちに大きな家具作りではなく小さなものを時間をかけて作ることの楽しさに魅了されそれが今へと続いていると思います。大きな挫折は今のところないですね。
うまくいかないと感じることはしょっちゅうありますが、仕事自体がというより作品作りでの試行錯誤という面でですね。
落ち込んだり沈んだりすることがあまりないのでうまくいかないときもそれはそれで楽しんでやってます」
───木工は家具やうつわなどふだんの暮らしに身近なものづくりですので、憧れを抱いていたり将来目指したいという人も多いと思うのですが、この道を目指したい人へ濵端さんなりのアドバイスを頂けますか?
濵端「木工の仕事内容はなかなかに地味で時間がかかるものですが、板や塊が作品に仕上がっていくときに見せてくれる表情の変化を体感できるのは作り手にしか味わえないものだと思います。
作品の大小に関わらずその感動はあるので、木工をはじめてみたいと思う方は小さなものからでいいのでぜひ挑戦してみてほしいです」
→②に続く