読み物

叶谷真一郎 晩秋 ②

作家紹介 叶谷真一郎さんへの一問一答

作家紹介 叶谷真一郎さんへの一問一答


通奏低音のように。

それは物事の底流に在るもので、気付かぬうちに知らぬ間に、もの全体に影響を与える。「もの自体」だけではなく、根源となるその作家自身の存在は欠かせない。それだけに作品のみならず出展作家さんのことを少しでも知って頂きたいという思いがいつもあります。
簡潔な一問一答ですが作家さん自身からの誠実な言葉と考えをお読み頂きながら、作品を紐解く手助けや愛着を深めていく入り口になれば幸いです。
今回は展覧会を行う秋の終わりから冬のはじめの季節にちなんだ質問をさせて頂きました


質問1
はじめましての方に向けての、経歴とは違う自己紹介をお願いします

───脱サラや紆余曲折あって(長くなるので端折ります)この仕事をしています。気がつけばいつもそこに居るような無口なうつわを作っています。

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質問2
今まで訪ねた中で、最も印象に残っている場所はどこですか。その時の思い出もよかったら少し教えてください

───アメリカのルート66で見た夕日とどこまで走っても変わらない景色。自分もおおらかに大きな心で日々過ごしたいと思いました。


質問3
以前の取材でも映画ファンであるというお話をお聞きしましたが、季節の情景が印象的だった映画を一編、おすすめ頂けますか?

───ゴッドランド/GODLAND
アイスランドが舞台で、上映時間が長いという意見もありますが、そんなことを感じさせないほど美しい風景に心を奪われます。そんな美しさとは相反し、主人公の牧師の心が徐々に壊れていく様子が狂気です。

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質問4
秋も終わりに差し掛かり、冬が始まろうとしていますが、この季節の食材や料理で一番好きな食べ物と、それについての所感を教えてください

───秋刀魚及びその塩焼きと新米ご飯。このシンプルな組み合わせが何よりも好きです。


質問5
冬のはじまりを迎える中で、風情を感じるのはどんな瞬間ですか?

───周辺の田んぼにかかる朝靄。

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質問6
供の頃でも大人になってからでもいいのですが、晩秋あるいは初冬にまつわる思い出をひとつ教えてください

───中高バレーボール部だったのですが、寒くなってくると体が温まるまでレシーブの際の手首の周辺が腕が痛くて、嫌な季節が来たなと感じでいたそんな苦い思い出があります


質問7
これまで一定期間、継続して今のお仕事をされてきたと思います。ものごとと向きあい続ける中でご自身が大切にしてきたものはなんですか

───理想と現実の差異を埋めるべく常に自分と向き合い、心を凪の状態であることを芯としています


(了)

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