読み物
はじまりまたはおわり おわりまたははじまり ②
竹村聡子さんの見る冬の風景や風物
銀彩で描かれたどこか愁いを帯びた動物たちと、触れたら溶けてしまいそうな白が印象的な磁器作家の竹村聡子さんが暮らす長野県飯田市。
彼女の冬の風景や風物を訊いた。
「積雪の日の晴れの早朝と真夜中が好きです。
一面真っ白に降りしきった雪上に太陽と月の明かりが照らされて、どの季節よりも一日中外が明るい景色に毎年飽きることなく感動します。
またその雪上に残る明らかに犬猫以外の野生動物の足跡があると、普段こんな場所を駆けているのかと彼ら息遣いのようなものを感じられることも嬉しいです。
私の住む土地は干し柿の産地で辺りは柿の木が多いのですが、冬場は野鳥たちの餌が少なくなるので鳥たちのために柿の木に少し実を残してある光景も好きです。
──竹村聡子」