読み物

冬の家 ④

岩本牧子さんへ冬に纏わるQ&A/冬の家 episode03

岩本牧子さんへ冬に纏わるQ&A/冬の家 episode03


通奏低音のように。

それは物事の底流に在るもので、気付かぬうちに知らぬ間に、もの全体に影響を与える。「もの自体」だけではなく、根源となるその作家自身の存在は欠かせない。それだけに作品のみならず出展作家さんのことを少しでも知って頂きたいという思いがいつもあります。
今回は4人の方が集う展覧会ということで、それぞれの皆さんに一問一答形式でお答え願いました。質問テーマに冬を織り込み、感じ方、過ごし方、楽しみ方などから作品や人柄が淡く浮かび上がるようです。
それぞれの方の作品からイメージを膨らませた「冬の家 小話」も合わせて掲載します。


①自己紹介をお願いします

岩本──拠点はなく
場所 人 物 を透し、小さな輪の中からgallery イベントの 「 空間 」 を
様々な素材を使い、創る 仕事をしています

s-cc54168886ae3ea710eaa1e128209057.jpg



②冬は好きな季節ですか?苦手な季節ですか?

岩本──冬がすきです
一番すきな季節 冬生まれだし
母の故郷のグレーな空がすきだったからです

s-DSCF8132.jpg



③ご自身の冬の暮らしで欠かせない暮らしのアイテムを教えてください

岩本──靴下
毎年靴下を贈ってくださる方がいて
普段 春 夏 秋 ほとんど靴下を履く暇がない(ビーサンだから)ので 毎年いただいた靴下を履いて散歩するのが好きなのです

s-2b65e1cda4505e7574ca2a547e239419.jpg



④秋の終わりから冬にかけて様々な風物詩がありますが楽しみにしているものはなんですか?

岩本──楽しみ
芹を食べること
お雑煮 うどん たっぷりのせて食べること

s-DSCF8144.jpg

⑤今年の冬にやりたいことを教えてください(新しいことでも、毎年のルーティンでも)

岩本──また新しい場所に行くので
毎日散歩をしたり
氏神さまにお参りにいきたいです


/////////////////////////////////////////////


冬の家 episode03

在宅ワークで翻訳の仕事をメインにしている彼(36歳)は、外で働いているパートナーの帰りを待っていた。

もうすぐクリスマスの季節が来るけどあんまりそれっぽいのは照れくさいから、いつでも飾れそうなボタニカルな雰囲気のオーナメントを買ってみた。
あまり見たことのないドライの植物や布の端切れが巻かれた、ちょっと不思議な、でも懐かしいような雰囲気だ。
「またそんな余計なものを買って」
そうパートナーはぶつくさ言うかもしれないけど、好きなものの趣味は似ているから、買ってきたものたちのことをいつも案外気に入ってくれているのは知っていた。
いとおしむようにそれらを見つめる目がとても好きで、やっぱりいいでしょ?と訊くと、まあ悪くないかもねと、ちょっとひねくれた返しをしてくる。
そうやって二人でああだこうだ言いながら、たとえばカーテンをあたたかい素材に変えたり、開け放していた扉を閉めるようにしたり、家の中をあたたかくしつらえて彩る時間が僕らの冬には大切なんだ。

s-DSCF8154.jpg
s-DSCF8123.jpg

1