読み物
春日静座 ③
茶飲み話2 自分へのごほうび
と。
横から道一さんが
「あるじゃんごほうび。月二回の鍼」
とにやにや。
改めて
改めて
「たまに余裕があったら山登りに行くね」
「高い山は時間ができないから、近所の山。往復30分くらい」
香川の里山を形作っているのは、広い讃岐平野にぽこぽこと頭を出している〈おむすび山〉〈おにぎり山〉と呼ばれる、円錐型の丸みを帯びた山々。
標高も100~300メートルの低山が多く、気軽に出かけられるという。
知子「斜面はでもきついの」
知子「斜面はでもきついの」
道一「きついね」
知「ね。チェーンとかあって。犬の散歩気分では行けないから、ちゃんと登らないといけないんだけど。往復30分くらいで行けるし、ちゃんと登山道もあるの。ここら辺おにぎり山だから見晴らしも良いんだよ」
道「そう。おにぎり山だから、低いなあと思うし実際大して高くないんだけど、実際にのぼりだすとね、チェーンないと登れないの。騙されたみたいな感じになる」
知「去年か一昨年には(徳島の)剣山に行ってね。素晴らしい山だった。すごいコンパクトなんだけど、稜線が長くて」
道「期待していた以上によかった」
知「ちょっと(日本)アルプスの匂いもするようなね。本当はごほうびに、そういう大きな山に登りたい。なかなか休む勇気がないけど」
道「四国には百名山は二つしかないんだって。剣山と石鎚山なのね。次はその石鎚かなあ」
知「昔アルプスに登った時はお金がないからテント背負って行ったけど、今度は山小屋に連泊したいの。山を堪能する。上でゆったり行けるところの範囲をぐるぐるして二、三泊して帰る、みたいなのが夢」
道「でもやばいね。足腰が」
知「もつかどうか」
道「最低でも片道6時間は必要なんだよ」