読み物
井上茂 こころの風景 ③
井上茂さん、語る。 その1
“僕の『井上
今回3年ぶりに個展をして頂く愛知県在住の井上茂さん。
2016年のある日、突然自作を携えて百職を訪れてくださったのがきっかけでお取扱を始めることになってからもう6年が経とうとしています。
それからは、日本各地のみならず海外でも作品がお取扱されるようになり、ご自身もあえて変化を求めながら様々な挑戦をし続けていらっしゃいます。
自分の中の「井上茂」という意味はなんぞやと考え、並行しながら夢中で手を動かす日々。
これまでの道のりと、現在とこれからへ向ける少年のようなワクワク感を交えながら、井上さんが溢れる思いを語ってくださいました。
○陶芸家の存在を意識したことも全くなかった
最初は別に焼き物って全然興味があったわけではなく、
ほとんどお祭り騒ぎみた
それに物を作るのが好きだったんです。あとやっぱ土とか石
器とか興味があったわけでは全然なくて、陶芸家の存在を意識したことも全くなかった。ただ(窯番だけじゃなくて)
で、体験でちょっとやりたくて器が作りたいのか、とりあえず教室
最初は窯を焚いてるだけだったのが、
あと穴
同時進行で器を作ることを習っていて。教わった先生に『井上
※1 常滑(とこなめ)
愛知県常滑市は中世最大のやきものの産地。知多半島には500以上の古窯跡が発見されておりいかにこの地域でやきもの生産が盛んだったかがわかる。常滑は庶民向けの量産品が多かった。手間を省くために、常滑では釉薬を使わない焼締が行われ、古くから穴窯(穴を掘っただけの簡素な窯)で焼き上げる。そのため燃料の藁などが多く器に降りかかり、自然な釉薬となった。現在は朱泥の急須が多く作られている。
→その2へ続く