読み物
春日静座 ④
茶飲み話3 続・自分へのごほうび
道一さんは
「俺は山野草かな」
時々産直に出かけては、少しずつ集めているそう。
敷地内には最近植えられたと思しき若木がいくつかあった。
「山野草を見繕うならこの産直」
というのもちゃんとあって、お気に入りの山野草を着々と増やしているらしい。
周辺には田畑や里山が広がり、トラクターもあちこちで見かける。
お二人の仕事場兼住居は山林でぐるりと囲まれ、そこだけがぽっかりと独立した、まるで小さな集落のような趣。
山野草を活けることも、やきものづくりからも、その姿勢が自ずとにじみ出ているように感じた。
お二人にとってはそれはエコロジーな思想でもなく、ごく当たり前の日々の営みの中のひとつなんだろう。
そんな自然が近くにあることが贅沢にも映る。
そんな自然が近くにあることが贅沢にも映る。
一方で、敷地内の草木や周囲の山林整備、管理などの手入れには労力がかかる。
それでもお二人は、ここでの暮らしと仕事が気に入っているし、大好きな場所だと話した。
吾唯足知(われ、ただ足るを知る)。
吾唯足知(われ、ただ足るを知る)。