読み物
harmonia ⑤


2014年からお付き合いを始めて以来、
出会った当初から伝統的なすず竹細工のほかに、
すず竹細工のつくり手のコミュニティは、橋本さんよりも遥か歳上の70代、
最年少といってもいい橋本さんは、
今回の展示でも「高台付きの蕎麦笊」という、
彼女が取り組み大切にしている「鳥越竹細工」の話や取り巻く状況、制作で大切にしているものや考えを通して浮かんでくる橋本作品の深層を知るべく、お話を伺いました。
harmonia 飯島たま×小川麻美×橋本晶子 展
2023/3/25(土)-4/2(日)
12:00-17:30
会期中休 3/28(火)、29(水)
最終日4/2(日)のみ16:30終了
‐ 初日3/25(土)の12:00の部と13:00の部のみ事前予約制
(初日14:00以降及び二日目以降はは予約不要で入店可)
詳細はこちらをどうぞ
harmonia ④


「陶芸してて楽しいのは土に触れている時だと思う。
私はてっきり〈窯出しの時〉が、
ただ、よくよく小川さんという人のことを思い浮かべると、
陶芸ではないけれど、小川さんは庭づくりや家庭菜園などの土いじりもとてもお好き。同じく草花が好きで、庭造りを楽しんでいるお母様の影響を受けてい
土の気持ちよさや魅力をよく知る小川さんのうつわは「土の良い香り」がしそうなものばかりです。特に炭化焼成や黄粉引のうつわなどは土の粒感を残した粗い信楽の土を使い、黒やグレー、ベージュ、淡い黄色などのナチュラルな色合いは使いやすく、料理を引き立ててくれます。
料理上手なだけに日々の料理を載せるうつわが抜群に定評のある小川さん。
それに加えて今回は、展覧会という特別な場所だからこそもっと挑戦したいと、炭化焼成のやきもので暮らしの中で絵のように飾れる「陶板」を用意してくれています。
そう、小川さんの炭化のやきものの魅力は、焼成時の独特な色彩変化にあります。
まるで墨で描いたかのような色合いやグラデーションで、その世界を今回の展示ではより一層深めてくれそうです。
そんな小川さんの制作の素地となる、人柄や暮らしぶり、感性に迫ってみたいとお話を伺いました。











harmonia 飯島たま×小川麻美×橋本晶子 展
2023/3/25(土)-4/2(日)
12:00-17:30
会期中休 3/28(火)、29(水)
最終日4/2(日)のみ16:30終了
‐ 初日3/25(土)の12:00の部と13:00の部のみ事前予約制
(初日14:
詳細はこちらをどうぞ
harmonia ③


染織テキスタイル作家の飯島たまさんの作品づくりは大別すると〈
紡ぎ・染め・織りと、
今回の展示ではコースターやクロス、ブックカバーなど、
近年取り組んでいらっしゃるイギリスやヨーロッパ由来とも言われ
飯島さんのルーツのようなものでもあり、
飯島さんならではの制作スタイルやつくり手に至るまでの経緯、今回の展覧会タイトルにちなんだ音や五感についてなどの話を通して、飯島さんの作品を紐解く手がかりを求めてお話を伺いました。
harmonia 飯島たま×小川麻美×橋本晶子 展
2023/3/25(土)-4/2(日)
12:00-17:30
会期中休 3/28(火)、29(水)
最終日4/2(日)のみ16:30終了
‐ 初日3/25(土)の12:00の部と13:00の部のみ事前予約制
(初日14:
詳細はこちらをどうぞ
harmonia ②


山梨
染織の飯島たまさんのところへはご無沙汰してしまっていて、
もうそんなに経ってしまったんだなあと古い写真を見返した。
当時たまさんは山梨の勝沼にいて、
たまさんは愛犬のミニチュアピンシャーのPさんと出迎えてくれた

六月も終わりのこの季節は、まだ青い葡萄がたわわに実っていた。
見上げれば葡萄の青と木漏れ日。
こんな景色は生まれて初めてだった。
たまさんは当時の家先の庭でも、
それから数年後、
今度の家は、新たに建築した住まい。
新しくても、
庭先にはやっぱり草花が植えられていることはもうわかっている。
ミニピンのPさんと、
生けるものから糸を紡ぎ、染め、布を織るたまさんの営み。
久しぶりに展示参加して頂き、皆さんにご覧頂けるのが私も嬉しくて楽しみで仕方ない。

竹筬と筬通し|筬(おさ)は機織りの際に、織布の幅や経糸の密度を保つための道具で、筬通しは筬に経糸を通す道具。どちらも飯島さんの大切な愛すべき道具。お守りのようなものでもあるかもしれない。
神奈川

陶芸の小川麻美さんの工房にだけは、
知り合ってからずいぶん経つのに(11年!)。
ご結婚後はそれまでの神奈川県平塚から、
行ったことはないのだけれど、
ご家族には、大切な2匹の猫、茶トラ白のじんくんと、
そう、実は今回の三人の作家さんは全員「猫飼い」
最初、仕事場である工房には立入禁止にしていたという猫たち。
でも徐々に徐々に猫たちはするすると入り込み、
きっと猫たちも
「大好きなご主人様は別室でいったい何してんねん?」
「
などと気になって仕方ないはず。
見守られながら(時に邪魔されながら?)
窯場には、
その前には、

これは炭化焼成もできる仕様の窯。
前の持ち主も前の前の持ち主も炭化焼成で使っていたのだから窯も
結婚後に建てた新居に新たに仕事場を併設した際、
当時、麻美さんに電話をすると、よく
「窯がまだ来ないんですよね〜」
とじれったそうにため息をついていたのを思い出す。
炭化は、20時間近くかけて作品を焼成した後に行っていく。
徹夜を余儀なくされる作業だけれど、変化の度合いのなかなか読めない炭化という手法がすごく

今回の三人展ではこの炭化で仕上げた作品が多いとのこと。
麻美さんの作品で私が最も大好きなのも炭化の作品。
とにかく今は、
岩手

もう3年も前になる。
9月の半ば、橋本晶子さんに案内してもらった二回目の盛岡。
一緒に歩いた道は、北上川の支流にあたる中津川沿い。
水が澄んでいて、川底の石までよく見えた。

市街地だけど、広くてのびやかな景色だった。
向こうの山はそびえるようではなく、
古くから続く喫茶店や、
そこにいる人たちは、やや癖があって、シャイで、
話が始まると、
次こそは、またこの道を歩きたい。

harmonia ①


「
と人々は考えていた。
数学者ピタゴラスは宇宙の奏でる音楽を、天球の音楽と呼び
「宇宙が音楽を奏でており、それがこの世の調和〈
と不思議な調和をもたらす音楽と宇宙について、
三月の展覧会でお迎えする、染織の飯島たまさん、
3人のものづくりの工程でも様々な音が生じる。
素材が発する音もある。
あらゆるところで「音」が姿を現す。
音に耳を澄まし、
3人のつくり手が行き交い絶妙なトライアングルが織り成す空間で